世界でも稀な“ノズルメーカー兼ミストセパレーター提供者”、レヒラー社の挑戦
化学プラントをはじめ、様々な産業分野で注目されている課題の一つが「微細な水滴(ドロップレット/粒子径)がガス流に含まれることで、装置効率や環境への悪影響が懸念される」という点です。
ここで頼りになるのが、ドイツのレヒラー(Lechler)社です。
ノズル技術のパイオニアでありながら、ミストセパレーター(ドロップレットセパレーター)の設計・製造・販売を手がける珍しい企業です。

ミストセパレーター(エリミネーター)
1. なぜ、ノズルメーカーがミストセパレーターを扱うのか?
レヒラー社は創業から140年以上にわたり、液体の噴霧、気化、散布といった“ドロップレットの生成と挙動”に関するノウハウを蓄積してきました。
それだけに、どのようなプロセスでどのような粒径の水滴が発生し、どのようにガス流中で移動・付着するのかを深く理解しているのです。
この知見を活かし、ノズルによって“作り出した”水滴を、逆に鋭く“除去”するセパレーターへと展開できるのです。
ノズルとセパレーターを“セット”で提供できる企業は、世界でもそう多くありません。

ミストセパレーターと洗浄ノズルシステムの提供例
2. 化学プラントでの実用性と優位性
化学産業においては、吸収塔、蒸留設備、凝縮器、蒸発器などでドロップレット分離が求められます。
レヒラーのドロップレットセパレーターは以下のような強みを持ちます:
・微細な水滴(≒5~10μm未満)も高効率で分離可能
・モジュール型でコンパクト設計、ガス流れ速度が速くても耐える構造
・圧力損失が小さく、長期的な運用にも適した設計
・高腐食環境への耐性や、高い固形物含有量の条件下でも性能維持
こうした特徴は、環境負荷の低減やエネルギー効率の改善を求める化学工場にとって、まさに「切り札」と言える存在です。
3. 多彩な設計ラインナップ
レヒラーは、設置条件やプロセス要件に応じて幅広いタイプのセパレーターを提供しています:
・横流型(Horizontal Flow)
LTHシリーズ(例:LTH 100, 500, 600)…コンパクトかつ高性能、狭いスペースにも対応
・縦流型(Vertical Flow)
LTVシリーズ(例:LTV 271, 300, 400)…幅やプロファイル間隔を可変、設置構造も効率化
さらに、非常に細かい粒径に対応するエアロゾルセパレーターやアグロメレーターもあり、用途・性能に応じたカスタム対応が可能です。
4. 設置とメンテナンスの配慮も万全
レヒラーは単なるセパレーター本体だけでなく、設置用のタンクやハウジング、支持構造、場合によっては洗浄用ノズルまでを含む“設置完全パッケージ”を提供可能です。
特に、粉塵やスケーリングが進みやすい現場では、セパレーターを定期的に噴霧洗浄するシステムの導入によって、稼働信頼性と効率を両立させる設計が求められます。
まとめ:ノズルとセパレーターを「一社で」手にできる価値
レヒラー社は、「噴霧と分離」という、まったく逆の技術を両輪として提供できる極めてユニークな企業です。
累積するノズル設計の知見を、ドロップレットセパレーションにまで活かせるからこそ、化学プラントに必要な精緻さと信頼性を兼ね備えたソリューションを提供できるのです。

レヒラー社製ミストセパレーターカタログ
環境意識の高まりや規制強化が進む中、こうした一貫した技術提供体制は、結果的にエネルギー節約・排出低減・装置保護といった多様なメリットをもたらします。
「ノズルからセパレーターまで、一手に任せたい」――そうしたニーズに応えるレヒラーの存在感はまさに群を抜いていると言えるでしょう。
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