ブローにブロワーは使えるのか?
低圧ブロワー(14-21 kPa)が高圧エアー(550-690 kPa ※0.55MPa~0.69MPa)の吹き飛ばし力に匹敵、またはそれを超える理由は、主に次の3つの要素にあります:
空気量(M/M)、ブロー速度、ノズル設計の効率。以下にその詳細を分かりやすく解説します。
- 大量の空気供給(M/M)
低圧ブロワーは、圧縮エアシステムと比較してはるかに多くの空気量(M/M:毎分立方メートル)を供給します。圧縮エアーは高い圧力(kPa)に重点を置きますが、空気量が限られています。一方、ブロワーは低圧でも大量の空気を一定に供給し、広い範囲を効率的にカバーします。
コンプレッサー:狭い範囲に集中した高圧のエアーを供給しますが、広い表面や複雑な形状には非効率です。
ブロワー:コンプレッサーの10~40倍もの空気量を供給できるため、広範囲を効率よくカバーできます。 - 均一なブロー速度で広範囲をカバー
ブロワーは高いエアー速度(最大時速約720 km)を維持しつつ、対象物全体に均一にエアーを分配します。
これを可能にするのが、特殊設計されたエアーナイフやエアーノズルです。
これらは大量の空気を効率的に高速エアカーテンへ変換します。
効果:エアーの速度が水滴やゴミをしっかり吹き飛ばすための十分な運動エネルギーを生み出します。
効率性:広範囲を均一に吹き飛ばすため、複数の高圧ジェットを使う必要がなく、エネルギーの無駄を抑えます。 - 進化したノズルとエアーナイフの設計
ブロワーは効率的なエアーナイフ設計と組み合わせることで、吹き出し効率を最大化します。
最新のエアーナイフ(例:ソニック社製XEエアーナイフ)は、空気流の効率を95%にまで高め、供給された空気のほとんどを吹き飛ばし力に変換します。
コンプレッサー+エアーノズルシステム:通常のエアーノズルでは、空気圧や速度がすぐに失われ、効果的な吹き飛ばし範囲が限られます。
ブロワー+エアーナイフ:エアー速度を長距離にわたって維持し、清掃や乾燥性能を向上させます。 - エネルギー効率
低圧ブロワーの大きな利点はそのエネルギー効率です:
コンプレッサー:550-690 kPa(0.55MPa~0.69MPa)を生み出すために大量のエネルギーが必要で、運用コストが高い。
ブロワー:高い空気量を低圧で供給することで、エネルギー消費を最大75%削減でき、コスト効率に優れています。
まとめ
14-21 kPaで稼働する低圧ブロワーは、次の理由により、550-690 kPa(0.55MPa~0.69MPa)のコンプレッサー+エアーノズルシステムと同等かそれ以上の吹き飛ばし力を発揮します:
大量の空気供給で広範囲を効率的にカバー
高速かつ均一なエアカーテンで効果的な吹き飛ばしを実現
最新のエアーナイフ設計で空気の使用効率を最大化
エネルギー消費が少なく、コスト削減が可能
これにより、乾燥、冷却、清掃などの産業用途で、ブロワーはコンプレッサーに代わる最適な選択肢となっています。
注:コンプレッサーは圧力がある為、細い配管でも流量を通すことが出来ますが、ブロワーはコンプレッサーに比べて押し出す圧力が弱い為、太い配管が必要となります。
ソニック社製ブロワー&エアーナイフとは?
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